ちかごろこの本のワークをこちゃこちゃとやっている。
チャック・スペザーノ著「30日間で理想のパートナーを見つける法」
Amazonさんから引っ張ってきたあらすじはこう。
<心理療法セラピストが綴る、「あなたの人生に完璧なパートナーを導き入れる」レッスン30>
完璧な伴侶を見つけるための1日刻みのレッスン。
自らの心をさぐり、真の自分に目覚め、変化することで、人生のパートナーを受け入れる余地を作ってゆく。
この本は、「自立」(一人で生きていける!人と近づくのは怖い)と「依存」(誰かとじゃないと生きていけない!)が生む苦しみを解決するためのステップが書いてある。
本によると、「自立」も「依存」も、「誰かと親しくなることへの恐れ」から生まれているらしい。その恐れを手放して、「相互依存」(自分も相手も尊重し、受け取りあい与えあう)を目指していく。
「誰かと親しくなることへの恐れ」は、過去に起きたことや、周りの人の生き方から大きく影響を受けているという。幼い頃から家庭内で負った役割や、傷ついた記憶が自分に課した抑圧のようなもの。自分でもおおいかくしてしまい、こんがらがってしまってもうわからなくなった事柄を、一つ一つ紐解いていけるような本だ。
タイトルの通り、パートナーを探すための本だけど、仕事や友人関係など、色々な人間関係にも効きそうだ。パートナーは最も濃い人間関係のひとつで、それへの価値観の変化は、人間関係全般に影響するはずだから。
今日はワークの24日目だった。はっとしたところはここ。
~、<献身は自由をもたらし、真実とやすらぎを生む>という考え方です。自立した人々は、献身とは奴隷のようなものではないかと思っています。独身をつづけ、注意深く自分の自立性を守っている大きな理由のひとつに、失恋・嫉妬と並んで犠牲という亡霊があります。しかし残念なことに、自立性は何の解決にもなりません――ただ問題をおおい隠しているだけです。(p163 献身――自由への門口)
ここに書いてあるのは、「献身」を「犠牲」だと考えてしまう思考の癖があるということ。ちょうど最近、「与える」を「搾取される」だと考える癖があるという話を書いたのでタイムリーだ。
どうしてそう思うのかを考えてみると、両親の傷をそのまま受け継いでしまったという説がもちあがる。母は私に、「人には、与えられると自分がヒエラルキーの上だと勘違いして搾取しようとする人がいる」と口酸っぱく言った。それは一面では事実だろう。かわいい子供が傷つかないように、教えてくれたのだ。両親はつらい世界を生き抜くのに必死だった。
だけど、そういう人に合わせて搾取されまいと自分を封じると、今度は自分が無力感や罪悪感にさいなまれてしまう。人は、人に喜んでもらうことで嬉しくなる側面がある。
実は2年前にこの本を手に取った時は、「献身」とか「許す」とかに押し付けがましさを感じて、斜め読みスルーして終わっていた。自分が枯渇しているのに、誰かに与えるなんて正気と思えなかったからだ。自分を満たしてようやく、そこに向き合えるようになってきた。
本にはやはり、人によって読むべき順番というのがあるのかもしれない。